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未来教室 第1回 環境を守る仕事とSDGs ~アスエコ てっちゃん&かっし~2022.05.27 Update

未来教室 第1回 環境を守る仕事とSDGs ~アスエコ てっちゃん&かっし~

ゲストスピーカー

アスエコ所長:山田哲弘氏 アスエコ職員:柏原拓史

内容

2022年5月27日(金)、アスエコ未来教室第3期がスタートしました。

3期の第1回となる今回は、アスエコの所長である山田哲弘さんと柏原拓史さんが未来講師です。
今期の未来教室では、中学1年生、2年生の12人が参加します。

アスエコ未来教室とは?

アスエコ未来教室とは、公益財団法人岡山県環境保全事業団の環境学習センター「アスエコ」が行なう、中学生向けの6か月間の教室です。
各回ごとにゲスト講師を招き、講師の方が取り組んでいる活動や、その中で感じること、考えたことについての話を聞きます。

詳しくは、以下のサイトをご覧ください。

アスエコ未来教室|公式ページ  中学生向けSDGs学習 公益財団法人岡山県環境保全事業団環境学習センター「アスエコ」が運営する中学生向けのSDGs学習教室です。登録制のため、学校 www.kankyo.or.jp

活動の内容

今回の未来教室のプログラムは、以下の通りです。

1.チェックイン
2.ゲストトーク
3.アウトプットセッション

 

この日初めて会う人たちばかりで、中学生も大学生も少し緊張したようすでした。
まずはアイスブレイクとして、グループごとにジェスチャーゲームをすることで、少し緊張がほぐれたように思います。

ジェスチャーゲームのようす

そして、アイスブレイクの後には、中学生、大学生スタッフで円になって自己紹介を行ないました。
自己紹介では、自分の名前や呼んでほしい名前、未来教室への参加理由などを聞きます。
同じ場所に集まった中学生でも、参加理由はさまざま。
相手のことを知り、また自分のことも話して、お互いについて知ることができる時間となりました。

次に、未来教室についての説明です。
どうしてアスエコで未来教室を開くのか、どんなことを目標としている場所なのか、教室でどのように過ごすのか、などの説明を聞きました。

 

現代社会は大きな変化の時代であり、そのスピードは歴史上例をみないほど早いため、先を見通すことがとても難しいのです。
そんな社会でよりよく生きるために、さまざまな人やできごとに出会い、じぶんごととして考える
そして、未来を拓く扉の向こうにワクワクし、扉の前に立つのが未来教室です。

教室での過ごし方として、「未来教室の五か条」を紹介します。

第1条:学校とは違うよ
第2条:楽しんで
第3条:心の変化、頭の変化、言葉の変化を大切に
第4条:言葉は自由、態度は前向き
第5条:一緒に

 

未来教室は、学校の延長線上ではなく、学校とは別の場所として楽しく学ぶ場なのです。
ここでは、普段の自分よりも少しだけ背伸びしたラーニングゾーンで、ちょっとだけ頑張って、自分自身を成長させていく場所にしていきます。

ゲストトーク

今回は、アスエコの所長である山田さん(てっちゃん先生)と、柏原さん(かっしー先生)によるゲストトークが行なわれました。

 

まずは、山田さんのお話です。
山田さんは小さいころから生き物が大好きで、街中で育ったけれどたくさんの生き物や自然に触れてきた、と話してくれました。
10歳のときに、夏休みの宿題で標本づくりのためにつかまえたセミから、命の大切さを教わったそうです。

生き物に関わる仕事がしたい!と考え、アンテナを高く張っていたところ、公益財団法人岡山県環境保全事業団の採用情報を見つけた山田さん。
高い倍率を乗り越え、奇跡的な出来事の連続で採用されたそうです。
10年以上の、「生きもの係」の現場経験について、楽しかったことや怖かったことなど、たくさんの話を聞きました。

 

また、アスエコでの仕事や、岡山県自然保護センターでの仕事の話も、中学生が興味津々に話を聞いていた姿が印象的です。
中でも、仕事での大変なことは笑いあり、少しの恐怖ありの、とてもとても面白い話ばかりでした。
県北のツキノワグマの話、真っ黒な報告書、恐怖の出前講座……会場で話を聞いていた人は、このキーワードだけで話を思い出すのではないでしょうか。

最後に、山田さんが大切にしている4つのことを教えてくれました。

ものの考え方
物事はできるだけポジティブに考える。
ものの見方
一方向だけから見て決めつけるのではなく、いろんな方向から見て判断する。
絶対に無理、できないって言わない
ちゃんと話を聞いて、どうやったらできるか探すし、あがく
「つながり」を大切にする

 

大変なことはたくさんあったけれど、無駄なことはなにひとつなかった、という山田さんの言葉が筆者の印象に残っています。
またこの言葉は、中学生の心にも深く刺さったようで、手元にあるメモには、揃ってこの言葉が書きこまれていました。

 

次に、柏原さんのお話です。
柏原さんも小さなころから生き物や自然が大好きで、それを仕事にできたらいいなと思っていた、と話します。

小学校では「夢を持とう」と言われ、中学・高校では「現実を見て将来を決めよう」と教えられるのに、大学では「あなたのやりたいことはなんですか?」と聞かれる。それってちょっと違うのでは? 
だからこそ、自分の好きなことは続けるべきだ、と伝えてくれます。

やりたいことを実現するために就職した最初の会社では、甘さや実力不足から中々うまくいかないことも多かった柏原さん。
そんな中で、いろんな勉強会に参加し、周りにはすごい人がいるんだと実感したそうです。
そして、とある勉強会での講師の「想いを継続したければ、仲間を作りなさい」という言葉から、新たな行動を始めます。
27歳の時に、転職して、環境に関する若手の勉強会を始め、仲間をどんどん増やし、最終的には、NPO法人を設立して、地域の社会教育と学校教育の連携を通じて思いを継続していきます。
最初は時間もお金も人脈もなく大変だったけれど、仲間はたくさんいたから頑張れた、と柏原さん。

 

最後に、柏原さんは、人生方程式として、以下の言葉を紹介してくれました。

”いい人生”=”能力”×”熱意”×”考え方”

 

この方程式は、未来教室にも通じるものです。
頑張れば能力はついてくるし、仲間がいれば自分の熱意に応えてくれます。
そして、自分はどう生きたいかをしっかりと考えることも必要です。

また、柏原さんが大切にしている考え方は、基本的には山田さんと同じだと話します。
柏原さんは、それに加えて、「自分のためと人のため」ということを大切にしているとのこと。
自分の行動は、社会のためではなく、自分の自己満足や仲間のためにやっている、と考えると、しんどいと感じるときに人のせいにすることがなくなります。と。

 

中学生一人一人が話を聞いている様子は、真剣そのもの。
ゲストトーク後に中学生から見せてもらったメモ用紙はどれもしっかりと書きこまれていて、彼らがゲストトークを通してどのようなことが大切だと思ったのかを、言葉なしに語られていました。

グループワーク

 

ゲストトークの後は、「ゲストトークを聞いた感想」と「講師に質問したいこと」を考え、グループで共有します。
作業を始めるように言われると同時に、中学生はみんな黙々とペンを走らせ、感想を書いていました。
この時間は、話を通してどのようなことを思ったか、中学生が自分と向き合って考える時間となります。

 

ワークの中では、未来講師に直接質問している中学生の姿もありました。
質問の一部を共有します。

Q.挫折からはどのように立ち直りましたか?
A.挫折は成長のポイントだと思うようにしている。だから、なんでもまずはやってみることが大切。

Q.諦めたいと思ったことはありますか?
A.諦めたくなるときは初心を忘れているときだから、初心に振り返ってみるようにしている。
それでも諦めたいと思ったときは、完全にやめるのではなくその物事を一時停止していると考える。また始めたらやめたことにはならないから。

Q.上手な物事の伝え方を教えてください。
A.調べる中で、自分が「へえ~」「ほう」「はあ~」と思ったポイントを話の中に入れ込むこと。
伝える相手が知っているだろう情報6割,知らないだろう情報4割で話をすすめることを心がける。

感想も質問も、自分でしっかりと考えて書ける中学生が多かったように感じました。
中学生の感想の一部を、共有します。

 
 
 

さいごに

今回から、第3期アスエコ未来教室が始まりました。
未来教室で話を聞かせてくれる講師は、どの人も「伝えたいことが溢れてくる」人です。
この先、中学生の扉を開けてくれる大人との出会いにわくわくさせてくれるスタートとなりました!

第2回未来教室は、2022年6月24日(金)に開催される予定です。
次回はどのような学びがあるのか、そして未来教室を通して中学生がどのように変わっていくのか、今から楽しみでなりません。