岡山県環境保全事業団

 

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2024年03月28日環境調査分析

当事業団の生物調査で新種の昆虫が発見されました。

岡山市との「生物多様性保全の推進に関する連携協定※1」において実施している生物調査※2において新種の蛾が発見されました。
 
今回の新種(学名:Calicotis zhanglini)は、5~6㎜の小さな蛾で、ニセマイコガ科というグループの中でも、幼虫がシダ類の胞子を食べるという変わった習性を持つ一群に含まれます。本種は台湾からも見つかっており、台湾などの研究者との共同研究の中で、台湾と日本のサンプルを合わせて検討し、新種として2024年2月29日付(電子版)で「Molecular Phylogenetics and Evolution」に掲載されました。
 
<論文情報>
Systematics and evolutionary dynamics of insect-fern interactions in the specialized fern-spore feeding Cuprininae (Lepidoptera, Stathmopodidae) - ScienceDirect
DOI:10.1016/j.ympev.2024.108040
 


Calicotis zhanglini Shen, Terada & Hsu, 2024
 
 
今回新種が見つかった岡山市との連携協定における生物調査では、岡山市の重要生態系※3のうち、これまで生物の調査があまり行われていない地域を優先的に調べています。このため、これまで調査した場所は、今回新種が発見された場所も含め、ほとんどが住宅地に程近いような身近な環境です。今回の発見は、見落とされがちな身近な環境にも、豊かな自然が存在していることを示す一つの例と考えています。
 
当事業団では、今後も自然環境分野における知識や経験の強みを活かし、地域の生物多様性保全の推進に努めてまいります。
 
※1:岡山市と公益財団法人岡山県環境保全事業団との生物多様性保全の推進に関する連携協定について
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000035986.html
※2:自然環境モニタリング
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000037443.html
※3:岡山市の重要生態系
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000038042.html