2008年09月01日環境調査分析
環境のおはなし 第12回「薄色豹紋擬~ウスイロヒョウモンモドキ~」
「環境のおはなし」では、環境についてのさまざまなお話などを掲載しています。
山陽新聞朝刊に折込みの小冊子として月1回配布されているSmile(スマイル)では、「レッドデータ図鑑(絶滅の恐れのある野生生物を守ろう!)」と題して、野生生物に関するさまざまなお話を掲載しています。
今月号は、
第12回「薄色豹紋擬~ウスイロヒョウモンモドキ~」です。
本シリーズでは、ミズアオイ、フサヒゲルリカミキリなどを紹介してきましたが、
このウスイロヒョウモンモドキも私たちとうまく共存している生き物となります。
ウスイロの幼虫はオミナエシとカノコソウの主に2種類の植物を食べて大きく
なりますが、この2種類がよく見られるカヤ場(農村生活に必要とされていた
ススキ原)が手入れされることがなくなり荒れてきているためウスイロの生息
が困難となってきています。
私たち人間は河川改修、森林伐採、土地造成などの開発行為を行ってきまし
たが、その行為が多くの動植物を絶滅の危機へと追いやっています。
その一方で、カヤ場の手入れを行うなど自然に手を加える行為によって、植物
が育ち、それを餌とするウスイロも繁殖することができるといったケースもありま
す。
人間と自然は共存していかなければなりませんが、同様に動植物とも共存して
いく必要があります。こういった動植物も存在しているということを記憶していた
だけると絶滅の危機は避けられるのではないかと思っています。
平成19年7月号から1年間にわたり絶滅が懸念される希少な動植物の実情を
紹介してきましたが、「絶滅の恐れ」なぜそのような状況になるのか、様々な生
物に特有の理由のある事を知るきっかけ作りとして本シリーズを読んできいた
だければと思っています。
「環境のおはなし」は、環境調査・分析のページで掲載しています。
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